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●タナゴ竿に挑戦
丸竹フライロッドを作っているとその材料の竹の切れ端がたくさんできます。長さが短い切れ端はロッドの口栓用に捨てずに置いてあるのですが、長さ数十センチメートルのものもけっこうたまりました、これをうまく利用してなにか作れないかと思案していると「タナゴ竿」が思い浮かびました。調べてみると継ぎ数は多いのですが竿全体としてはストレートテーパーであることがわかりました、また継ぎ数が多いので「各セクションのテーパーにはあまりこだわらなくてもよいのではないか」と考え、とりあえず作って使ってみようと思いました。
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タナゴ竿の切り組例として以下の数字を書物で見つけました。*印のところ、コミ長さは記載されていませんでしたが継いだ状態で5尺(1515mm=5X303.03mm)で、各セクションの長さの合計が1770mmなので5箇所のコミの合計の長さは255mmと推測されます、どのような配分になっているのか正確なところは解らないのですが穂先から順々に30、40、50、60、75mm程度とすればよいかなと思えました。**印の竿先の径と元の径も記載されていませんでしたが適当に数字を入れてグラフにしてみたのがその下の図です。穂先と元のセクションのテーパーは私が勝手に書き換えたデタラメ数値ですが、まあこんなものであるということが解りました。
タナゴ浮子竿、5尺 6本継ぎ 3本仕舞 |
・ |
素材 |
節数 |
長さ(コミ込み) |
コミ |
先径 |
元径 |
穂先 |
削り穂 |
0 |
290mm |
* |
** |
1.4mm |
穂持ち |
2〜3年古竹 |
2 |
290mm |
* |
2.0mm |
2.5mm |
三番 |
2年古竹 |
1 |
290mm |
* |
3.1mm |
3.4mm |
四番 |
2年古竹 |
1 |
300mm |
* |
4.0mm |
4.3mm |
五番 |
新子身入り |
1 |
300mm |
* |
5.2mm |
5.3mm |
元 |
矢竹根掘り |
6 |
300mm |
- |
6.2mm |
*** |
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そこで、早速自分の手持ちの材料で切り組みしてみました。丸節竹、矢竹、高野竹の端材から適当なものを探すのですが、なかなか思うような素材が見つかりません。結局、長いまま保管してある竹をブチブチ切断することになって、また竹の切れ端が増えてしまいました。なお、2mm〜3mmの直径の穂持ちは今年見つけたホウライ竹の枝も使ってみることにしました。 |
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タナゴ竿、6尺2寸(1870mm) 並継ぎ5本 仕舞込み無し |
・ |
・ |
・ |
・ |
A |
素材 |
節数 |
長さ(コミ込み) |
コミ |
先径 |
元径 |
オチ |
コミ差 |
長さ |
テーパー |
穂先 |
真竹、削り穂 |
0 |
400mm |
25mm |
0.5mm |
1.7mm |
1.2 |
0.6 |
375 |
0.3000 |
穂持ち |
蓬莱竹、枝 |
2 |
400mm |
30mm |
2.3mm |
3.2mm |
0.9 |
0.7 |
370 |
0.2250 |
三番 |
高野竹(ウラ) |
4 |
400mm |
35mm |
3.9mm |
4.9mm |
1.0 |
0.6 |
365 |
0.2500 |
四番 |
高野竹(ウラ) |
2 |
400mm |
40mm |
5.5mm |
6.1mm |
0.6 |
1.1 |
360 |
0.1500 |
元 |
高野竹(モト) |
4 |
400mm |
- |
7.2mm |
7.4mm |
0.2 |
- |
400 |
0.0500 |
|
|
タナゴ竿、6尺2寸(1880mm) 並継ぎ4本 仕舞込み無し |
・ |
・ |
・ |
・ |
B |
素材 |
節数 |
長さ(コミ込み) |
コミ |
先径 |
元径 |
オチ |
コミ差 |
長さ |
テーパー |
穂先 |
真竹、削り穂 |
1 |
500mm |
30mm |
0.5mm |
2.1mm |
1.6 |
0.6 |
470 |
0.3200 |
穂持ち |
丸節竹 |
3 |
500mm |
40mm |
2.7mm |
4.1mm |
1.4 |
0.7 |
460 |
0.2800 |
三番 |
丸節竹 |
3 |
500mm |
50mm |
4.8mm |
5.6mm |
0.8 |
0.8 |
450 |
0.1600 |
元 |
丸節竹 |
3 |
500mm |
* |
6.4mm |
7.7mm |
1.3 |
- |
500 |
0.2600 |
替え穂 |
真竹、削り穂 |
1 |
500mm |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
タナゴ竿、6尺6寸(2000mm) 並継ぎ4本 2本仕舞 |
・ |
・ |
・ |
・ |
C |
素材 |
節数 |
長さ(コミ込み) |
コミ |
先径 |
元径 |
オチ |
コミ差 |
長さ |
テーパー |
穂先 |
真竹、削り穂 |
1 |
490mm |
30mm |
0.5mm |
2.4mm |
1.9 |
0.6 |
460 |
0.3878 |
穂持ち |
高野竹 |
6 |
490mm |
40mm |
3.0mm |
4.0mm |
1.0 |
0.7 |
450 |
0.2041 |
三番 |
矢竹 |
3 |
570mm |
50mm |
4.7mm |
5.6mm |
0.9 |
0.8 |
520 |
0.1579 |
元 |
矢竹 |
3 |
570mm |
- |
6.4mm |
7.3mm |
0.9 |
- |
570 |
0.1579 |
|
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タナゴ竿、6尺7寸(2050mm) 並継ぎ5本 仕舞込み無し |
・ |
・ |
・ |
・ |
D |
素材 |
節数 |
長さ(コミ込み) |
コミ |
先径 |
元径 |
オチ |
コミ差 |
長さ |
テーパー |
穂先 |
真竹、削り穂 |
0 |
435mm |
20mm |
0.5mm |
1.8mm |
1.3 |
0.6 |
415 |
0.2986 |
穂持ち |
矢竹、枝 |
4 |
435mm |
30mm |
2.4mm |
3.6mm |
1.2 |
0.9 |
405 |
0.2759 |
三番 |
矢竹、ウラ |
2 |
435mm |
35mm |
4.5mm |
5.6mm |
1.1 |
0.7 |
400 |
0.2529 |
四番 |
矢竹、ウラ |
2 |
435mm |
40mm |
6.3mm |
6.8mm |
0.5 |
0.8 |
395 |
0.1149 |
元 |
矢竹、モト |
2 |
435mm |
- |
7.6mm |
9.0mm |
1.4 |
- |
435 |
0.3218 |
|
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タナゴ竿、5尺6寸(1700mm) 並継ぎ4本 2本仕舞 |
・ |
・ |
・ |
・ |
E |
素材 |
節数 |
長さ(コミ込み) |
コミ |
先径 |
元径 |
オチ |
コミ差 |
長さ |
テーパー |
穂先 |
真竹、削り穂 |
0 |
420mm |
30mm |
0.5mm |
1.8mm |
1.3 |
0.6 |
390 |
0.3095 |
穂持ち |
矢竹、枝 |
3 |
425mm |
35mm |
2.4mm |
3.9mm |
1.5 |
0.6 |
390 |
0.3529 |
三番 |
矢竹、ウラ |
2 |
480mm |
40mm |
4.5mm |
5.9mm |
1.4 |
0.6 |
440 |
0.2917 |
元 |
矢竹、ウラ |
2 |
480mm |
- |
6.5mm |
7.6mm |
1.1 |
- |
480 |
0.2292 |
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試しに使ってみようと思っているホウライ竹の枝の先、細いものでは先の方で直径1.4mmというものもありました、節間が長くテーパーが小さくやや柔らかく反発力に欠けますが綺麗な肌で新円に近い断面形状で節の出っ張りも矢竹のそれ程度です。ただ、枝の数が多いのでその始末に手間がかかります。
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上記の5本の試作竿、どんな切り組みか目で見える形にグラフにしてみようと思い上記のグラフに描き足してみました。黄色い色のグラフは資料からひろった数値で、その他のグラフは上からA,B,C,D,E
となっています。ごちゃごちゃして解りにくいので、クリックすれば大きな画像へリンクするようにしました。継ぎの工程が終われば実際に曲げてみてどんなベンディングカーブを描くか見てみたいです。それまでの工程で失敗して「ポキリ」とやらないようにしなければ・・・・・・・(2004.11.13) |
この図をクリックすると大きな図が別ウィンドウで開きます。(800x545pixcel 13.4kb) |
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