滋賀県北部の共同水場
2月上旬に、タナゴが棲息していそうな池や水路や河川などを巡り歩いていた時です。 琵琶湖岸からそう離れていない集落内の路地と路地が交わるような小さな交差点の脇で出会った水場です。 私が通りかかった時にその集落のおばあさんがダイコンを洗っておられました。 ご挨拶して、ちょっとお話を聞いてみますと、集落のみんなの共同の洗い場だとのことでした。 水はもちろん地下水です、さらにポンプなどで汲上げているのではなくて自噴しているとのことでした。
下の方の溜りを見てみると水酸化鉄が析出しているようで鉄分が少し含まれて出ているようです、
御世辞にも「美しい水」だとは言い難い水質のように見えました。
しかし、この水は、ずっと昔からここの集落の女性たちに利用されている大切な水のようです。
おばあさんは「野菜を洗うくらいならこれで充分!」とおっしゃっていました。
この洗い場のように地域のみなさんの生活と一体となっていて、地域文化と切り離せない水こそが、
その水質の如何にかかわらず、価値のある名水なのでしょうね。
(2007年02月04日)