左は頂戴した仕掛け |
タナゴ釣りを初めて3ヶ月くらいしてから、本格的なシモリとはいったいどんなものなのだろう? どんな大きさなのだろう?という疑問が湧いてきました。 時を同じくしてメールでいろいろとタナゴ竿のことを教えていただいていた「特報!!タナゴ王国」 の立野森人さんが4月に琵琶湖まで釣りに来られるとのご連絡をいただきました。 良い機会だから仕掛けを見せていただこうと思っていましたところ、 なんと「お土産です」とおっしゃりながら手渡していただいたのはこの画像の左側の仕掛けでした。 私が夢にまで見ていた本格的な仕掛けを頂戴したのです。 使うのがもったいなくて一ヶ月くらいはただ眺めるだけでした。 それを5月に岡山県で初めて使いました、そして感度のよさに驚いたのです、 仕掛け全体のバランスのよさに加えてシモリに浮力がなく、 また、シモリ自体が小さいので横走りの抵抗が小さいのでしょう。 ちなみに右側は私が作った糸ウキで一番小さいものです、大きさがずいぶん違うのが一目瞭然です。 立野さんお聞きしたところ、この左側のものでも一番小さいものではないとのことでさらにびっくりしました。 (画像をクリックしていただくと大きな画像が展開します)
不揃いですが、自作です |
そこで、私もこんな本格的なシモリ作りに挑戦してみました。
シモリ作りに関しては「シンちゃんのタナゴ釣り」のシンちゃんに教えていただきながら、
シゲさんの「ぶ・ら・り小物釣り」や YOUさんたちの「行橋たなご会」のサイトを参考にさせていただきました。
とは言ったものの、最初のものはこんなのです、見たところ全く本格的ではありません。
エサをもらっていないサルのようにイラチの私は塗料が乾燥するまでに触ってしまったり、
乾燥してからも爪で押さえてみたりしましたので、
不器用が作った不揃いのシモリたちがさらに変形してしまいました。
しかし、せっかく作った第1作です、一度使ってみることにしましょう。
また、これから練習しながらいくつも作ってみたいと思います。
さらに素材もいろいろなものを試してみたいと思います。
(2005年6月7日)
シモリ作りの道具と材料 | ミチイトを定尺に切る |
ミチイトを張る | 治具の固定部分の詳細 |
せっかちな私の方法です。 現在、私が作っているシモリは多少偏心していたり、大きさがあまり揃っていないのですが、 釣果にはそれほど影響ないと思いますので、どのようにして作っているかご紹介します。 直径1mm 程度までのシモリなら5本まとめて作って60分程度です、 乾燥には一晩置きますが釣行前夜に作っても間に合います。 少し大きめのシモリを作る場合は樹脂を2回に分けて付ければ偏心することが少ないです、 1回の作業で大きく付けるとやや偏心します、しかしそれでも釣るのにはあまり影響が無いと思います。
ミチイトをピンと張っておく治具はメタルラインの編み付けに使っていたもので、自作したものです。 ミチイトを留めるところはゴム板を貼ってミチイトに傷がつかないように、 また素早く取り付け取り外しができるようにしてあります。 同じようなものをご自分で工夫されると便利かと思います。 これは釣り旅行に行く際に分解できるようにしてありますがそこまではしなくてもよいでしょう、 あなたご自身のアイデアで作ってみてください。
ミシン糸で内掛け結び | 適度な硬さに締める |
シモリの芯となる結びこぶは、50番のミシン糸を使っています。 素材はポリエステル100%です。 この時点での糸の締めつけ具合で、 出来上がったシモリがミチイトにそって滑る時の動き難さが決定されてしまうようです。 したがって、伸びの少ないテトロンや絹でもよいかもしれませんが、 この場合には締めつけ具合が難しく、非常に微妙な力加減が必要だと思いました。 それで、私はポリエステルにしています。 結び方はいろいろあるようですが、 私は一番簡単な内掛け結びにしています、 結びこぶがやや斜めになりやすいのですが、おおざっぱな私の場合はこれで規格内なのです。 一度この結びこぶ無しで樹脂を直接ミチイトに付けたことがあります、 見かけは同じものが出来ましたがスカスカ動き過ぎて使いものになりませんですた、 また爪で抑えると簡単に割れました。この結びこぶは「鉄筋コンクリート」の「鉄筋」 の働きと同じようなもののようです。
2006年の春に、
0.1号や0.125号のナイロンモノフィラメントのミチイトにこの方法でシモリを作ってみたところ、
すこし動きが難過ぎました。
汚い水の釣り場で釣っている最中にシモリを動かそうとしていると、
ミチイトに付着した汚れの影響でシモリがさらに動かし難くなり、
0.125号のミチイトに負担がかかり過ぎて切れてしまいました。
細いミチイトを使う場合は、
内掛け結びで芯を作る時に3回通しではなくて2回通しにした方がよさそうです。
(この節、2006年9月26日追記)
余分のミシン糸を切る | これで1つ |
いくつか結びこぶを作る | 上の画像の拡大 |
エポキシ接着剤を | 爪楊枝の先で |
全部のこぶに付ける | 固まるまで吊っておく |
ミシン糸で結びこぶを作ったら、余分な糸を切り捨てます。 ハサミで切ればよいのですが糸をスパッと結びこぶの際で切りたいので切れ味のよいハサミ を使うように心がけています。 以前に一度切れないハサミを使ったら、 切口がケバ立ってしまいシモリが仕上ってもケバが原因で変な形になってしまいました。 形自体は多少いろいろなものになってしまっても問題ないとは思いますが、 シモリの大きさがあまりに不揃いな場合は、 当たりがあった時の動きが悪いかもしれませんし見難いかもしれないですね。
1本の仕掛けに作るシモリの数は、 最初7個とか9個とかの奇数にしていましたが、最近は8個とか10個とかの偶数にしています。 その理由は仕掛けを頻繁に替えないで水の透明度が悪い所などへ移動して釣る場合に、 特に小さめのシモリを使っているときにはシモリが見難くなってしまうので、 2つずつくっ付けて使っています。 そうなると奇数だと余った1個のシモリに相手がいないのでかわいそうかな?などと思ってしまいます。
シモリの芯としての結びこぶが全部出来たらエポキシ系の接着剤を付けてゆきます。 エポキシ系接着剤は2液混合タイプの熱硬化性樹脂です。 溶剤が蒸発して乾くというものではありません、したがって硬化してもほとんど体積がかわりません。 硬化する時間は樹脂の温度が高いほど早く固まります、およそ10℃上がると硬化時間は1/2に成ります。 接着剤として販売されているものには5分硬化型、 30分硬化型、24時間硬化型など(温度が20℃の場合)いろいろありますが、 仕掛けを数本まとめて作ることが多い私は30分硬化型を使っています。
この接着剤を爪楊枝の先に少しだけ付けてそれを結びこぶに付けて成形します、 成形とは言っても表面張力で自然に丸くなります。 たくさん付け過ぎるとミチイトの片側へ寄ってしまい偏心します、 また室温が低いと樹脂の粘性が高くなり小さなシモリが作り難いので、 そんな場合はわずかに温めてやるとサラサラになります。 また、この作業の開始時刻は2つの液(樹脂)を混合した時にチェックしておきます。 硬化時間以内に余裕を持って作業を終了するようにします。 爪楊枝に残った接着剤はそのまま置いておき硬化していることの点検に使います、 間違っても製作したシモリを触ってみるなどしてはいけません、 硬化していなければ手にくっついてその後変な形になり取り返しがつきません。 シモリ仕掛けを同時にいくつか作る場合は出来た順番に洗濯バサミやクリップに止めて吊るしておきます。
ラッカー系の塗料を | 爪楊枝の先で |
全部の玉に塗る | 乾くまで吊っておく |
樹脂がほぼ硬化すれば色を1回塗るだけです。 樹脂にまだ弾力性がある時でも大丈夫なようです、もちろん完全に硬化してからでもよいです。 塗料はラッカー系の純白を使っています、私は白が一番視認性が高いと思いますが、 好みで好きな色を使えばよいと思います。 ラッカー系の塗料は、ニトロセルロースなどの樹脂を有機溶剤で溶かして顔料を混ぜてあるものですから、 溶剤が蒸発すると体積が少なくなります。 塗ったときにちょうどよい大きさだと思っても乾燥すればやや小さくなります。
この作業の時もミチイトをピンと張っておきます。 ラッカー系の塗料だと早く乾き、 薄塗りの場合は室温が高ければ10分少々で蝕指に耐えられるようにはなりますが、 シモリを動かすために力をかけた点に大きな圧力が掛かると剥がれてしまいます。 それで、一晩吊るして触らずにそのまま置いています。 一晩乾燥させてから、シモリを爪先でつまんでおき、 ミチイトをグイッと引っ張ってシモリがちゃんと動かせるかどうか点検します。 この時は1個づつ作業しないとミチイトに負担が掛かり過ぎると思います。
なお、ミチイトに付着したエポキシ樹脂やラッカー塗料は、
この時にちょっと爪で擦れば簡単に割れて落ちます。
私は今まで軟らかいナイロンはあまり使ったことがありませんので、
ミチイトがパーマになった経験は今のところありません。
爪で軽くしごいただけでパーマになる(断面が変形する)ようなミチイトは使わない方がよいと思います。
(2005年11月17日)