この道具は釣具ではありません。また、私が作ったものでもありません。 しかし、たいへん便利なもので釣ったタナゴをその場でじっくり観察したり、 うまく写真に撮影したりすることが出来る優れた小水槽ですのでここでご紹介させていただきます。 これは「シンちゃん」がご自分でお作りになったもので、私は譲っていただいたものです。 これから大切に使ってゆきたいと思っています。たいへん重宝するアイテムとなることでしょう。 名称は「お魚ブース」と言うらしいです。
戴いた「お魚ブース」 |
材料は、透明のアクリル板とのことです。
大きなタナゴだとこの水槽の中で身動きできずじっとしていますが、
小さなタナゴではあっちこっちに向きを変えてみたり泳ぎ回ってしまいますので、
そんな場合専用に中仕切り板が付いています。
中仕切り板にはちょうど水槽の幅の中央に仕切り板が位置するように底面に固定されたプレートが付いています。
同じようなものは市販もされているようです、
また、自分で作ってみようかと思われる方は製作にチャレンジされても面白いかと思います。
(2005年3月10日)
オリジナル画像 | コントラストを上げる |
この「お魚ブース」で何度か撮影していてあることに気が付きました。 撮影した魚の画像のコントラストが実際よりも落ちてしまっているということでした。 これは水槽前面のアクリル板が水と接する面と空気と接する面の二つの界面で 光の一部が反射していることが原因だと思います。 さらに、そのことにより、撮影者自身やその背面の風景も一部写り込むようです、 バックの色が濃い場合は撮影した魚の色にも影響が出るようです。 また、色に関しては水槽の向こう側の景色が特に大きく影響するようですし、 照明が過度に明るかったり暗かったりすると色温度の影響がモロに出るようです。
水槽に沈めたモノサシ | 水槽の外のモノサシ |
それぞれの画像から | トリミングしたもの |
色の件は少し置いておいて、コントラストがどれくらい落ちているのか実験してみました。 いつも魚を撮影しているように水槽の中に水を入れて、その中にアルミ製のモノサシを沈めて撮ってみました。 比較はその横に同じモノサシを置いて水槽や水の影響が無い状態で撮影した画像です。 照明は真上近くからの太陽光線で、バックは白い紙です。
モノサシの同じ部分が写っていて画像全体の条件がほぼ同じになるようにトリミングしてみました。 これらの画像はWEBページで使用するように縮小していますので少しの差にしか見えませんが、 オリジナルの画像ではもっと違いが大きいように感じました。 そこでフォトレタッチソフトのGIMPで色のレベルやカーブを調整する時に表示されるダイアログの 中のグラフでこの二つの画像を見較べてみました。 灰色で表示されているものがそれです、 なお、斜めの線は色カーブを調整する場合用の操作ラインですので今は関係ありません、 また、グラフの縦軸は人間の感覚に近い対数表示になっています。 とかナントカ講釈をたれていますが実はグラフの見方がよく解からないのです。 画像全体でこの色(赤、緑、青、またはその合計)が、 この明るさ(明度)で分布しているということのようですが‥‥
下の赤色だけ、緑色だけ、あるいは青色だけに関してのデータを 合計してからグラフの高さを調整しているのではないか?と思います。 水槽に入れずに撮影したもの(右側)と較べて水槽に入れて撮影したもの(左側)は、 暗い部分が無くなっていることが解かります。 また、一番明るい部分もすこし無くなっています。 ただ、右のグラフでペコンとへっこんでいる部分が、 水槽に入れて撮影したグラフでは見られなくなっています。 元の画像から同じような部分をトリミングしてから検討しているのですが、 方法がまずかったのでしょうか。
以下は赤色だけ、緑色だけ、あるいは青色だけに関してのグラフです。 今回は水槽のバックや撮影している私自身のバックは特に濃い色ではありませんでしたが、 それらの影響を受けた場合は左右のグラフにもっと大きな違いがみられるのだと思います。
これら撮影時のブースやバックグラウンドの影響を受けた左側のグラフを、
できるだけ右側のグラフに近づけるようにフォトレタッチすればよいのですが、
今のところは現場での印象をできるだけ再現するように自分の感覚だけを頼りにフォトレタッチしています。
もう少し試行錯誤を続けなければならないようです。
(2005年9月14日)
この撮影ブースをほぼ1年間使っている内に、
撮影した写真の品質が徐々に悪くなってきていることに気がつきました。
どうやら、アクリルでできた撮影ブースの内面に水垢や魚の糞がこびり着いて汚れてしまい
透明度が悪くなってしまったようです。
洗剤で洗ってもよいのですが、先日はたまたま釣り場で次のようなことをして洗浄してみました。
洗剤はナツミカンの皮です、ミカンの皮を原料とした洗剤が市販されていることを思い出して試してみました。
ナツミカンの皮の内側の白く柔らかい部分を取り除き、
黄色い表皮近くの汁が出てくる部分だけにして使いました。
撮影ブースが小さいので中には手が入りません、
そこで弁当を食べた割箸を利用して、
このナツミカンの皮を汁が出るまで撮影ブースの内側に押しつけながら擦りました。
ほどよく擦った後にきれいな水でさっと濯いで完了しました。
撮影ブースは1年前の最初のように綺麗になりました。
(2006年5月23日)
ある日、琵琶湖のほとりの実験センターへタナゴの増殖試験の見学に行きました。
水質が悪いのか?その実験センターで生まれたタナゴの幼魚で胸鰭に白い付着物が見られる個体が居ました。
ちょうど私はこの撮影ブースを持っていましたので、
それに入れてスタッフと観察してみると鰭の付け根もやや赤く血がにじんだようになっていて、
エロモナスか何かの病気では?ということでした。
その後、私は、この撮影ブースを消毒しておかなければ!と思い、車のトランクに積んであった無水エタノール
をティッシュペーパーにしみ込ませて撮影ブースの内側を拭きました。
すると、拭いた部分が白く雲って半透明になってしまいました。
おそらく無水エタノールで脱水されてしまったのだと思います。
なお、内側がすりガラスのように雲ってしまった撮影ブースですが、
中に水を張ると曇りがそれほど目立つこともなく、一応撮影に使えました。
薬品を付けて拭いたりする場合は、変質しないか充分に確かめてからにした方がよさそうです。
(2007年09月28日)