釣魚不全 / 釣り具の自作・タナゴ竿・竹の枝で

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竹の枝のノベ竿から

ことのはじめ

竹の枝 竹の枝
ホウライ竹の枝、原竹 火入れして矯める

カーボンロッドの渓流竿の先端部分では、軟調(中調?)でも硬すぎるように感じました。 3cmくらいのタナゴの引きだと穂先の先の部分だけしか曲がらずまったく釣趣に欠けます。 いずれ竹を組み合わせてタナゴ竿の継ぎ竿を作る予定なのですが、 どれくらいの太さとテーパーの竹を使ったらよいかの見当がつきません。 なにかでテストしてみたいと考えていたところ、手元にあったホウライ竹の枝が目に止まりました。 手で曲げてみると七三調子で、しかも軟らかいです、 先径は1.35mm、元径は3.80mm、節数は8で、長さ約1.2mです。 原竹は左の画像のようにクニャクニャに曲がっていますが、 さっそく芽取りをして一度火入れをしてみました。 穂先はもう20cmか25cm欲しいのですがとにかくこれでテストしてみることにしました。
(2004年11月29日)


テスト

竹の枝の竿 竹の枝の竿
3cmのタナゴの引き 6cmのタナゴの引き

実際に釣り場で使ってみた様子です。 左の画像は3cm程度のヤリタナゴが掛った時の曲がり具合です。 右のは6cm程度のヤリタナゴでした。共にポイントの水流は20cm/秒程度です。 タナゴを水から切ってしまって空中でぶら下げるとこれらの曲がりは2/3程度に戻りました。 実際に完成した竿にする場合はこれに穂先をつけるつもりですから、 竿全体の曲がりはもっと大きくなるでしょう。いずれの大きさの魚体でもこの竿で充分楽しめます。 10cm以上のタナゴだと「ちょっとしたやりとり」が必要かもしれません。 はやく完成させてみたいです。
(2004年11月30日)


印籠継ぎの竿へ

穂先を継ぎ足したり、握りを付けることを考えていましたら、 どうせ作るなら携帯に便利なようにとも思えます。 やや手間はかかりますが継ぎ竿にしようということに決めました。 継ぎ竿は通常は一本の原竹を切って再び継ぐことはしないのですが、 この竹を気に入りましたのでプツプツ切って使うことにしました。 その場合は節の位置で一本当たりの長さが決まってしまいますし、 節の位置に不都合があるとある部分だけ使えないということもあります。 今回の節の位置は下の図のような感じでした。 モノサシで竹のあっちこっちを計り一本あたり370mmとし五本継ぎとました、 竿の全長はこの場合自分で決めることができません、 目標は六尺ですが詳細は竹に決めてもらいます。 穂先は、真竹か繊維の細い淡竹の両方を試してみます、 そのうちの一本の下部にはホウライ竹の枝先十数cmを継ぎ足す予定です。 穂持ち、穂持ち下と元上までホウライ竹の枝一本ものから取ります。 元は矢竹の枝、握りは高野竹の端切れです。


切り組み

切り組み


      タナゴ竿 小物用  六尺  印籠五本継ぎ  五本仕舞
部位 素材 節数 長さ(コミ込み)  コミ  先径  元径  オチ コミ差  長さ テーパー 印籠芯太さ
穂先 淡竹  0  255mm  10  0.5mm  1.4mm  0.9  0.0 245mm  0.352%  -
穂先下 蓬莱竹  1  130mm  15  1.4mm  1.7mm  0.3  0.0 115mm  0.231%  1.5mm
穂持 蓬莱竹  3  370mm  20  1.7mm  2.5mm  0.8  0.0 345mm  0.216%  2.2mm
穂持下 蓬莱竹  2  370mm  25  2.5mm  3.1mm  0.6  0.0 340mm  0.162%  2.7mm
元上 蓬莱竹  1  370mm  30  3.1mm  3.8mm  0.7  0.2 335mm  0.189%  3.3mm
矢竹  3  370mm  -  4.0mm  5.0mm  1.0  - 370mm  0.270%  -
握り 高野竹  -  -  -  -  7.3mm  -  -  80mm  -  -


切り組み表を書いてみて、大問題を発見しました。 印籠芯に竹のソリッドを使う場合の芯の太さは継ぎ部の竹の外径の88%程度の太さが必要なはずです。 この勘定で計算すると、コミ部の竹の肉厚が0.10mmとか0.25mmなどと、 加工不可能に思える数字になってしまいます。ああ、どうしよう!
(2004年12月01日)


切り組み変更

ニ回目の火入れをしている最中に、 上から三つめの節近くの曲がりがどうしても矯められないので三回ほど炙って矯め直していたところ、 ポッキリ折ってしまいました。 切り組みを変更します、一節290mmにして組みなおします、竿の全長も変更です。 それから、印籠芯のことを考えながらホームセンターの店内を徘徊していていいものを発見しました、 ステンレスのバネ鋼の丸棒です、0.8mmと1.0mmと1.2mmの直径のものを購入してきました、 その他、直径1.8mm、2.0mm、2.6mmのステンレス釘も使えそうだったのでいっしょに買いました。 この釘を印籠芯に使うアイデアを思いついたことで、簡単にタナゴ竿を作ることができるということが解りました。 別のページで紹介することにしました。


  タナゴ竿 小物用  六尺ニ寸、五尺六寸、四尺七寸
                  (1881mm & 1701mm & 1436mm) 印籠七本(六本、五本)継ぎ 七本仕舞
部位 素材 節数 長さ(コミ込み)  コミ  先径  元径  オチ コミ差  長さ 印籠芯太さ
一番(穂先) 淡竹  0  290mm  18  0.5mm  0.9mm  0.4  0.6 272mm  0.8mm
二番(穂持) 蓬莱竹  2  290mm  18  1.4mm  2.0mm  0.6  1.1 272mm  1.0mm
三番(穂持下) 蓬莱竹  1  290mm  18  2.1mm  2.8mm  0.7  1.6 272mm  1.2mm
四番 蓬莱竹  2  290mm  18  2.8mm  3.2mm  0.4  1.4 272mm  1.8mm
五番 蓬莱竹  1  290mm  22  3.2mm  3.8mm  0.6  1.8 268mm  2.0mm
六番(元上) 矢竹  2  290mm  25  3.8mm  4.3mm  0.5  2.3 265mm  2.0mm
七番(元) 矢竹  1  210mm  25  4.3mm  4.7mm  0.4  3.0 188mm  2.0mm
握り(継ぎ部) 矢竹  0   52mm  20  5.0mm  5.0mm  0.0  -   32mm  -
握り 高野竹  1   70mm  -  -  7.3mm  -  -   70mm  -
(2004年12月04日)


実際に切り揃えをした後に、現物の竹を手にとって印籠芯の太さを検討していて少し変更を加えました。 また、少し短くして使えるように変更しました。
(2004年12月05日)


切り組み (2004年12月09日、描画)


このページの最終更新日:2007年09月07日。(2004年12月記述分を表示しなおしました。)