CFRPとは、Carbon-Faiber Reinforced Plastics の略です。 炭素繊維で強化された合成樹脂ということで プラスチックの素材はこれを使いなさいと決まったものでもありませんが、 私達が一番多く目にするのはエポキシ樹脂を使ったものが多いです。 カーボン繊維とプラスチックの割合(重量比)はいろいろとなっています。 また、カーボン繊維とガラス繊維の組み合せやさらにアラミド繊維、 金属繊維まで組み合わせたものもあります。 重くなりますが弾性率を上げるのにカーボン繊維に硼素をコーティングしたものを使った CFRPもありました。
プラスチックにどのように繊維を混ぜるかは成形品の形状や使う目的に適した強度を持たすために カーボン繊維そのままの場合や織ったものを利用する場合がありますし、 円筒状や円柱状のものでは繊維を単に直線状に均等配列させてある場合や螺旋状に巻き付けてある場合や それらの組み合わせなどいろいろな構造をしているようです。 またカーボン繊維自体も製法にいろいろな種類があり、 製法やカーボン繊維になるまでの原料や素材の違いで出来上がったカーボン繊維の弾性率の値に幅があるようです。
竿に使ってあるCFRPの場合は、「軽くて曲がり難い」だけがすべての要求要素ではありませんので、 適度に軟らかく(曲がり易い)、適度な曲げに耐え、適度な重さ(軽さ)を求めるために ガラス繊維とカーボン繊維の両方を使っていることもあります。 価格と性能のバランスを取りたい場合もガラス繊維が混ぜてありますね! 大きく曲がっても折れないようにするためにはガラス繊維をたくさん入れてあることが多いです。
竹+カーボン & カーボン | 竹の中にカーボン |
印籠継ぎの印籠芯に使ってみました。印籠芯を竿の胴と同じ竹で作る場合は矢竹や高野竹の古竹を使います。 私は印籠芯の直径は胴の接合部で胴の外径の87%程度がよいと思っています。 その理由は円筒形のものと円柱形のものの断面二次モーメントを比較して検討した結果です。 「竹と竹」というふうに同じ弾性率の素材の場合はこれで問題ないと思いますが、 タナゴ竿の場合は穂持などウラで竿の直径(外径)が随分と小さく(細く)なりますので 印籠芯を差し込む方のコミの厚みが極めて薄くなり、加工が不可能だと思います。 加工できたとしてもコミの厚みが竹の繊維の直径以下になるかもしれません、 そうなったらたいへん割れ易くなるはずです。
そこで、竹よりも弾性率の高い素材としてカーボンエポキシのソリッド材を使ってみました。
通常、並継ぎでは穂先と穂持の継ぎではコミ差が0.6mmとなっているものが多いように思います。
おそらくこの数字の半分の0.3mmが細物のコミ厚の最低限度ではないでしょうか?
そこでコミにこの厚み以上を確保して適当に(適したという意味ではなくエイ!ヤッ!ということです)
作ってみました。上の画像がそれです。
印籠芯にテーパーを付けるように研削するのが面倒なのでノンテーパーです。
とりあえずこれで1〜2本仕上げてみます。
(2005年12月29日)