このページでは、各々の植物についての記述の欄の最初の緑色の文字の種名にアンカーを打ってありますので、種類毎の記述のURLを指定される場合は緑色の文字の種名をクリックしてご利用ください。
この水草は、漢字では「山椒藻」と書きます。見てのとおり遠目では山椒の葉っぱを水に浮かべたように見えます。 実は、私は子供の頃から知っていて、45年くらい前にはどこにでもと言ってよいくらい生えていて珍しくもナントモ無い水草でした。 これをこのコーナーでいつか紹介しようとあちこちを探し回っていたのですが、全然見つかりませんでした。 もう既に私の住いの近所では絶滅してしまったのか!と、あきらめていた矢先に、目の前に突然コロンと現れたのでした。 その傑作で笑える顛末はブログの記事のひとつで書いています。
2008年11月末、滋賀県の 水田にて撮影 |
2008年11月末、滋賀県の 水田にて撮影 |
水生シダの一種で、あっちへフラフラ、こっちでプカプカと水に浮かんだまま成長します。 茎は気まぐれでときどき枝わかれするようです。水面に浮かぶ葉は山椒の葉よりもややぶ厚いもので、水を撥く表面を持っています。 葉は(山椒の葉のように)二枚が互生しているように見えますが、三枚が輪生しているらしいのです。 水面に二枚、水中に残りの一本(根のように見えるのも葉っぱ)ということになっているらしいです。 秋になると胞子嚢を付けて、その後冬になると枯れてしまいます。 そして翌年、かなり温かくなってから再び同じ場所に生えていることが多いようです。 全く流れが無いという水溜りや、きわめて緩い流れの田んぼ横の水路などに生えるようで、 今回私が見つけたのは稲作後期に排水のために田面に溝切りされたところでした。
2008年11月末、 水中に胞子嚢 |
2008年11月末、 水に浮かんだ丸いモノは? |
2008年11月末、 つまむと潰れました |
サンショウモを手に取って観察していると水中に沈んだ部分に胞子嚢らしい球形に近い丸いものが見られました。
また、水面にはその胞子嚢と同じくらいの大きさの茶色いものが浮かんでいました。その表面は小さなツブツブの集合となっていました。
これって、熟した胞子嚢かなあ?と、その一つをつまんでみると丸い形が壊れてしまいました。
ルーペで写真を撮ってみましたが、小さすぎて詳細が解かりません。
(2008年12月02日)
2008年11月末、 新芽のような? |
2008年11月末、 水に浮かんだ丸いモノは? |
サンショウモの写真をいっぱい撮ってあったのを整理していたら、
新芽のようなものと別の形状の胞子嚢のようなものが写っているのが見つかりました。
図書館へ行って図鑑を借りてきて調べてみますと、先の茶色の丸い塊が小胞子嚢で、
今回見た白っぽくて構成している粒(胞子か?)が大きな方が大胞子嚢のようです。
サンショウモは二種類の胞子をつくり、それが合体して殖えるそうです。
この、新芽のようなものはサンショウモのものか別の植物のものかは、解かりませんでした。
(2008年12月06日)
サンショウモ科、サンショウモ属、サンショウモ
Salvinia natans (L.) All.
2007年3月、福井県にて 水路の水溜りで撮影 |
2007年3月、福井県にて 水路の水溜りで撮影 |
福井県へタナゴ釣りに出かけた日に見つけたものです。 当日は冷え込んでいて、どこでタナゴが釣れるのか?と探し回っていました。 90ヘクタール以上に拡がった水田地帯のあちこちの水路を覗き歩いていて、 枝の水路で細く水量が少ない水路を見た時でした。 ドブガイでも居ればタナゴもいるはず、と思って観察していますと、 水面に緑色の粒ツブがたくさん浮かんでいました。 おや?と思いじっくり観察してみると、これがなんと、イチョウウキゴケでした。 私は、イチョウウキゴケは図鑑でしか見たことが無かったのですが、 この特徴のある形を一目見てイチョウウキゴケであることが解かりました。 ただ、雪国の寒さで枯れかけているのか、 水が汚いので弱っているのか、プルンと丸まっているような姿でした。 でも、もう少し暖かくなったらまた殖えるのでしょうかね。 ウキゴケ科 イチョウウキゴケ属 イチョウウキゴケ(Ricciocarpos natans) で、コケ植物らしいです、表面はゼニゴケなどとなんとなく雰囲気が似ています、苔類のようですね。
2007年3月、滋賀県にて 休耕の湿田の水溜り |
2007年3月、滋賀県にて 約1m上から見ると |
2007年3月、滋賀県にて 近づいて見ると |
2007年3月、滋賀県にて こんな大きさ |
福井県でこの植物を見つけた3日後、墓掃除に出かけた折りに休耕田の水溜りを覗いてみると、 またまた、見つけてしまいました。 なんと自宅から歩いて行ける距離のところに生えていたのでした。 未整備の棚田の山際が水捌けが悪く、一年の内のほとんどの時期に浅い水溜りになっているようでした。 また、長年水稲が作付されておらず草刈りだけはしっかりされていたのが効を奏して 、この場所にイチョウウキゴケが残っていたようです。
イチョウウキゴケとはうまく言ったもので、
二枚または四枚の銀杏の木の葉をくっ付けて並べて置いたような形をしています。
葉脈のように見える部分はへこんでいて溝のように成っています。
水面に浮かんでいて、裏側全面には黒褐色の根のようなものがびっしりと不規則な長さで生えています。
殖える時はどのようになるのかまだ観察していませんが、
おそらく半分に割れて後、それぞれが再び大きく成長するのではないかと思います。
今後も時々見に行って、どのように殖えるのか観察してみます。
(2007年03月18日)
2008年2月、兵庫県にて ゼニゴケかな? |
2008年2月、兵庫県にて ゼニゴケにしては変 |
2月上旬に、砂泥質の川底の一部が干上がったところに生えていました。 川の堤防の上から見てみると、直径2cmから3cm程度の円形をかたちづくり、泥にへばりついて生えていました。 ゼニゴケの仲間のようですが、今までに見たことがない生え方をしていましたので、ちょっと興味をそそられました。 そこで、河川敷へ降りて近くから見てみました。 他の種類の苔が短く生えていますが、面積で半分くらいがまだ泥のままの状態の場所です。 また、ジクジクと湿った地面で、水際から数十cm離れた部分に帯状に生えていました。 泥の湿り具合がこの苔の成育に一番適した帯なのでしょう。 写真に写ったこの様子だけでは、私には何という植物なのか解かりませんでした。
2007年4月、兵庫県にて 一部に水辺湿地を持つ川 |
2008年2月、兵庫県にて 減水で干上がったところ |
2008年2月、兵庫県にて あっ! イチョウウキゴケ |
2008年2月、兵庫県にて 泥の上ではこう成るんだ |
2008年2月、兵庫県にて 分裂して、丸く並ぶ |
2008年2月、兵庫県にて 盛り上がったコロニー |
この川は、そのほとんどの部分が堤防で囲まれて、水田地帯がひろがった平野部を穏やかに流れている川です。 河川敷には堆積した砂泥が多く、ところどころに小規模の湿地のようなものを形成していました。 秋から冬にかけては減水しているようで干上がって数ヵ月経過したと思われる部分もありました。
観察しながらしばらく歩き回っているとやや乾きかけた泥の部分で、
イチョウウキゴケだとはっきり判る株を見つけました。
川が減水している途中で水際に漂着し、そのまま泥の上で成長を続けてきた状態のようです。
水に浮かんだまま分裂する時はバラバラになってしまいますが、
泥の上だと分裂したものがそのままの位置で次々と根付きこのような円形に並ぶようです。
そして、さらに分裂を続けると泥の表面から盛り上がって重なりあったコロニー状に成長するようです。
干上がった琵琶湖岸で以前に見た
アカウキクサのコロニー
とよく似た様子の成長です。
福井県や滋賀県で見たイチョウウキゴケはいずれも水面に浮かんでいましたが、
このように泥上に根付いた状態のイチョウウキゴケを見るのは初めてでした。
水域とも陸とも言えないようなドロドロ/ジクジクのこんな場所は、
人間みんなにはあまり好かれない場所だと思いますが、
こんな植物にとっては大好きな場所なのかもしれません。
(2008年02月13日)
2005年9月、滋賀県 湖南の河川にて撮影 |
2005年10月、京都府の 淀川水系の河川にて撮影 |
ホテイアオイは、ミズアオイ科のミズアオイやコナギの仲間ですが、南アメリカ原産の外来種です。在来種のミズアオイやコナギよりも大きな花を付け、群落となるとかなり見ごたえがあります。 夏から秋にかけて爽やかな青紫色の綺麗な花を付け、 寒さには弱いものの少し寒さをしのげる工夫さえすれば枯れないので明治時代に持ち込まれて以降、 観賞目的でずいぶん栽培されたことと思います。 そして、現在はいろいろなところに野性化してしまっているのが見られます。 琵琶湖沿岸の北西部は真冬にかなり冷え込みますが、それでも生き残ったホテイアオイが翌年爆発的に殖えます。
2008年10月、滋賀県 湖西の内湖にて撮影 |
2008年10月、滋賀県 内湖に野性化した群落 |
2004年12月、滋賀県 湖西の内湖にて撮影 |
ホームセンターでも売っていますし、とても綺麗なので外来種だとわかっていてもあまり気になりません。
しかし、富栄養化した水域では爆発的な繁殖力を持ち、これが枯れた後に分解すると再び水を富栄養化させるということになるらしいです。
このあたりのことは、同じく外来種のボタンウキクサと同様で、さらには、
温かい時期に水面を覆いつくしてしまい水面に当たる太陽光線をひとりじめするということが大問題らしいです。
厳寒地でなければ結構簡単に野性化してしまうようで、2004年の滋賀県湖西の内湖では12月25日でも一部がまだ緑色をしていました。
冬に枯れるのではと思っていましたが‥‥‥
(2008年12月02日)
ミズアオイ科、ホテイアオイ Eichhornia crassipes Solms-Laub.
2005年1月、滋賀県大津市 K地区、内湖にて |
2005年1月、滋賀県大津市 K地区、内湖にて |
2005年8月、滋賀県湖東の 水路にて撮影 |
2005年9月、大阪府 城北ワンド群にて |
2005年9月、大阪府 城北ワンド群にて |
2005年9月、大阪府 城北ワンド群にて |
ボタンウキクサです。冬の寒さで枯れて腐ったキャベツのように見えますが、芯は生きていますので次
の春になったら再生して増殖するのでしょう。
サトイモ科
Pistia stratiotes.
画像追加(2005年9月26日)
2005年5月、滋賀県守山市 K地区、内湖にて |
2005年9月、滋賀県湖北の 本湖にて |
2005年9月、滋賀県湖北の 本湖にて |
トチカガミのようです。
トチカガミ科
Hydrocharis dubia
画像追加(2005年09月03日)
2005年8月、滋賀県にて 湖北の水路で撮影 |
2005年8月、滋賀県にて 湖西の水田で撮影 |
ウキクサですね。
ウキクサ科にはいろいろな種類があるようです。釣りに行った時だけでなく、夏になると普段からあちこちの水溜りや
水田でよく見かけます。しかし、いままではじっくりと詳しく観察したことがありませんでした。いろんな種類が
あるのなら、今後はもっと調べてみたいと思います。
ウキクサ科 「ウキクサ」なら Spirodela polyrhiza
2006年8月、滋賀県にて 湖南の水路で撮影 |
2006年8月、滋賀県にて 湖南の水田で撮影 |
上記の欄のウキクサよりも小さくて細長い葉でした。釣りに行ったところでは
釣り場付近に駐車できませんでしたのでちょっと離れたJRの駅前の駐車場へ停めたところ、
その脇の水路に浮かんでいました。
葉の大きさは米粒くらいで緑色が浅く、葉の中央に盛り上がった筋がありました。
根は一つの葉に対して1本だけで、先端付近がやや膨らんでいて太くなっていました。
たぶんウキクサ科アオウキクサ属のアオウキクサだと思います。
学名は、Lemna aoukikusa Beppu et Murata とのことです。
アオウキクサをローマ字表示した語がそのまま使われています。
(2006年8月16日)
琵琶湖の内湖の岸際の水面の写真です。いろいろな浮遊植物が写りました。一番大きなウキクサ、少し小さめのアオウキクサ、もっと小さなウキクサ(これが解かりません)、銀杏の葉っぱのような形のイチョウウキゴケ、桧の葉っぱのようなアカウキクサの仲間(これもよく解かりません)の5種類のようです。アカウキクサの仲間については、また今度じっくり調べることとし、今回は、この中で一番小さいウキクサを持って調べて育ててみることにしました。
2008年7月、滋賀県 湖西の内湖にて |
2008年7月、滋賀県 湖西の内湖にて |
2008年7月3日、滋賀県 湖西の内湖のもの |
2008年9月26日、自宅で 85日栽培した後 |
このウキクサはとても小さくて一枚の葉の大きさは2mmx1.5mmくらい、形はあまり細長くない楕円形でした、
アオウキクサよりもさらに小さかったです。
葉の表面にはアオウキクサのように盛り上がった筋は見えませんでした。
根は1本だけで、先端がやや太くなって見えるものもありました。主根から細かく短い根が出ているのか出ていないのかは私の目では解かりませんでした。
そこで、琵琶湖岸の湿地センターの学芸員さんに見てもらったところ、
「コウキクサのようですが、発生して日にちが経過していないようで小さいですね、もう少し大きくなるかもしれません」とのことでした。
その後二ヶ月半洗面器に浮かべて育ててみました。最初だけ少量の肥料を施しましたが、その後は減った水を足すだけという管理でした。
夏の間にやや大きくなりました。そして、9月26日に写真に撮って当初の形態と較べてみたところ、随分と細長くなっていました。
また、葉の表面にはうっすらと1本の盛り上がった筋が認められました。コウキクサとは葉の形がちょっと違うように見えます。
ひょっとしたら、ヒナウキクサという種なのかもしれません。
現時点では葉や根の様子の細かい部分は未確認です。
近々、ルーペで観察してみたいと思っています。
ウキクサ科アオウキクサ属のコウキクサ(Lemna minor L.)または、同属のヒナウキクサ(Lemna miniscula Herter)
どちらでしょうか?
参考にしていた佐賀県立宇宙科学館のWEBページ、ウキクサ科の見分け方
がいつの間にか無くなっていますので、当該ページのInternet Archiveへリンクしておきます。
(2008年09月26日)
2005年9月、滋賀県湖北の 本湖にて |
2005年9月、滋賀県湖北の 本湖にて |
2005年9月、滋賀県湖北の 本湖にて |
2006年7月、滋賀県湖西の 水路にて |
2006年7月、滋賀県湖西の 水路にて |
2006年11月、滋賀県湖西の 干上がった湖岸にて |
アカウキクサまたはオオアカウキクサのどちらかでしょう。 観察するのにルーペが要ります。浮遊性のシダ植物に分類されるらしいです。(2005年9月4日)
7月下旬に水田地帯を流れる水路で見たものは緑色でした。 暑い時期は緑色で涼しくなると赤みが差してくるようです。 今回見つけた水路には田んぼからの排水が流れ込んでいましたので、 このウキクサ(アゾラというらしいです)は毎年田んぼで芽生えて流れ落ちているように思いました。 アカウキクサ (Azolla imbricata) か オオアカウキクサ (Azolla japonica) の どちらかか、あるいは外来アゾラか観察するために しばらく自宅の水槽に浮かべてみることにしました。(2006年7月25日)
これら滋賀県内で私が見たアカウキクサ属は全て外来アゾラで在来種では無いようです。
在来種のひとつオオアカウキクサについては別のコラムに掲載しました、較べてみてください、全然違います。
もう一種の在来種、アカウキクサはこれらとは違った形態をしていることが解かりました(参照:角野康郎著、日本水草図鑑)。
WWW上では、次のページに掲載されている写真のものです:
・アカウキクサ @「カネゴン先生の植物図鑑」
・アカウキクサ @植物園へようこそ!
・雑草図鑑 @石原バイオサイエンスホームページ
WWW上で、他にもいろんなページでアカウキクサを紹介してありましたが、
外来アゾラと思わしき写真を掲載してアカウキクサだと間違った記述してあるページがいっぱい見つかりました。これ、問題だと思います。
なお、外来種のひとつ"アゾラ・クスタータ"は特定外来生物に指定されていて飼養(栽培)が禁止されています。
我が家の水槽に浮かんでいたものは、滋賀県の在来種のオオアカウキクサが耐えられない水温30数℃という真夏の暑さにも耐え抜いていました。
"アゾラ・クスタータ"である無いにしろ外来種だと判明した時点ですべて処分しました。
(2008年12月07日)
2008年11月30日、水田1 オオアカウキクサ |
2008年11月30日、水田1 外来アゾラとの混生状態 |
2008年11月30日、水田2 外来アゾラとの混生状態 |
滋賀県内のいろいろな所で見たアカウキクサ属(アゾラ)を較べてみました。 最初の写真(水田1)にはオオアカウキクサしか写っていません。 次の写真では、オオアカウキクサと外来アゾラが写っています。 これらは、稲刈りが済んでから耕耘をされた水田で、水田内に排水のために溝を切ったところに生えていました。 3枚め(右端、水田2)は耕耘をしていない水田内の溝に生えている様子です、 びっしりと重なるくらいに生えている中で「ややピンクがかった色の大柄なもの」がオオアカウキクサで、 他は外来アゾラです。
2008年10月04日、琵琶湖 色が違う、大きさは同じ |
2008年11月10日、水田3 外来アゾラのみか? |
滋賀県では、オオアカウキクサ以外のアカウキクサ属(アゾラ)はすべて外来種だとのことです。 この二枚の写真のものはすべて外来アゾラだと思われます。 10月に琵琶湖の岸辺で見たものは色がずいぶんと違うものも写っていますが、大きさがほぼ同じです。 私の勝手な解釈ですが、根がちぎれてしまったなどの傷で成育が不十分だと紅葉が遅れるのかもしれません。 大きさが判別できるようにスケールを写し込むとよかったのですが、ほぼ同じ面積を写したつもりです。
2008年11月10日、水田4 色と大きさが違う |
2008年12月03日、水田5 色と大きさが違う |
2008年12月02日、琵琶湖 大きさが違う |
最後の3枚の写真に写っているものが何なのか調べたいというのが私の課題です。
"水田4"と"水田5"はオオアカウキクサが生えている地域に隣接したところの水田でした。
両写真中とも紅葉が始まっているものは「小ぶり」で、まだ緑色をしているものは「やや大きい」です。
ただし、これがオオアカウキクサだと言えるほど大きく無く、オオアカウキクサよりもやや「薄っぺらい」感じがしました。
最後の写真は、オオアカウキクサが生えている地域を流れる小河川の河口付近の琵琶湖で撮りました。
水田に生えているオオアカウキクサが田排水と共に琵琶湖まで流れ下っているのではないだろうか?
と思って見に行った時のものです。大きさが違うとはっきり解かるものも写っています、しかし、これもなんとなく「薄っぺらい」のです。
しかし、場所の条件を考慮するとオオアカウキクサかもしれませんし、なんとも不可解で、眠れない夜が続いている私です。
(2008年12月07日)
アカウキクサ科、アカウキクサ属、オオアカウキクサ Azolla japonica と、外来種
2008年7月、滋賀県にて | 2008年7月、滋賀県にて |
2008年7月、滋賀県にて | 2008年7月、滋賀県にて |
オオアカウキクサに出会うことができました。 いままで遠方のあちこちで、これらしいものがあったらいつも観察していたのですが、いつも アカウキクサのようでした。 タナゴ釣りからちょっと離れて、水田の水草を観察し回っていた2008年の7月の末でした。 オオアカウキクサっていったいどこに生えているのだろう?と調べてみれば、なんと自宅からあるいて行ける距離のところでした。 さっそく行ってみると、休耕田で水が溜っている溝に生えていました。 アカウキクサと較べるとやはりやや大柄です、そしてその緑色が淡い色なんです。一目で今まで見てきたものとの違いが解かりました。 違いの詳細は実体顕微鏡などで確認できるらしいのですが、たぶん、ほぼ間違いないと思います。そう信じておきます。
以前のコラムのアカウキクサ属(1)は、どうもアカウキクサ 外来アゾラのようです。
今度、機会があれば、それらの違いを観察してみようと思っています。
また、このオオアカウキクサが晩秋になるとどんな色になるのかも調べてみたいと思います。
オオアカウキクサ (Azolla japonica) は、日本固有種で、
本州、四国、九州の水路や水田などに生育する多年生の浮遊性のシダ植物だということです。
(2008年9月26日)
オオアカウキクサとよく似ていてやや小型の在来種のアカウキクサは、滋賀県には分布していないということを教えていただきました。
それで、上の文節の表現はその一部を修正しました。私が滋賀県外でみたものがアカウキクサであったかどうかも怪しいものです。
なお、外来アゾラの一種のアゾラ・クリスタータについては外来生物法によりその飼養(栽培)が禁止されています。
(2008年12月01日)
2008年10月09日、 まだ赤くなっていません |
2008年11月25日、 赤くなってました |
オオアカウキクサは、寒くなると赤くなると聞いていました。それが名前の由来らしいのです。 どんな色に変化するか観察してみました。 最初は10月初旬に、生えているアカウキクサの仲間はオオアカウキクサのみという水田へ行ってみました。 同じ水田で、7月に見た状態と比較すると緑色がやや抜けてきて縁の方のピンク色がやや濃くなったかな、 という程度でした。 11月の下旬になるとかなり赤くなっているものも見られました。 全てがこんなに濃い色ではありませんが、概ねこのような色合いとなってきていました。
2008年11月下旬、 アカウキクサと混生 |
2008年11月下旬、 アカウキクサと混生 |
それでは、他のアカウキクサの仲間との色の違いはどうなのだろうか?と疑問が湧いてきました。
そんな思いをしながら、近所の水田をあちこち見て回っていると外来アゾラ(アカウキクサ属)と混生している田んぼを見つけることができました。
この田んぼでは、まだ赤くなっていないものや赤みがかなり強くなったものなど、場所によっていろいろな状態のものが見られました。
部分的に湧水が浸み出していると思われる田んぼでした。
その田んぼでは、外来アゾラとオオアカウキクサそれぞれが赤くなった時の色目の違いが明確に解かりました。
オオアカウキクサの紅葉は、やや淡くてピンク色の系統のおとなしい色目です。
また、緑色の時もやや淡い緑色をしているようです。
写真でオオアカウキクサといっしょに写っている小柄な方が外来アゾラ(私には種不明)のようです。
(2008年12月01日)
アカウキクサ科、アカウキクサ属、オオアカウキクサ Azolla japonica
2008年11月に、オオアカウキクサと外来アゾラが混生している水田を見つけました。 同じ条件で生育しているこの二種を較べてみることにしました。 4枚の写真すべてで、左側に写っているものはオオアカウキクサで、右側のものは外来アゾラです。 顕微鏡写真のような丸い視野のものは10倍のルーペを用いた接写です。
2008年11月、滋賀県内の 水田(棚田)のもの。 |
2008年11月、滋賀県内の 水田(棚田)のもの。 |
2008年11月、滋賀県内の 水田(棚田)のもの。 |
2008年11月、滋賀県内の 水田(棚田)のもの。 |
全体の大きさは、やはりオオアカウキクサの方がかなり大きいです。 色については微妙なのですが、緑の時、紅葉した時、ともにやや淡い色目のようです。 専門的には鱗片のような葉の縁に細胞の大きさ単位の小さな突起がいくつかあって、その形態でも見分けることができるらしいのです。 でも、この倍率では、それはとても無理なようです。
根から生えている毛のように細かい根があります。オオアカウキクサでは、それらはとても少なく主に根の先端側半分に見られるようです。
オオアカウキクサと比較すると、外来アゾラでは根の基部付近までビッシリと細かい根が生えています。
この細かい根は、根の成長過程で途中から生えてきたり、根が古くなると無くなったりとか、これもなかなか微妙な判断材料らしいです。
このふたつ、私が較べてみても、コレといった明確な違いは解かりませんでした。
かなり手強い相手たちのようです。
でも、群落全体を見ているとはっきりとした違いがあるんですが....、人間の「眼から入る情報の処理」ってたいしたもんだと思います。
(2008年12月01日)
2008年11月、滋賀県内 の環境省の施設にて撮影 |
これが外来アゾラの一種で、外来生物法で現在「特定外来生物」のひとつとして挙げられている"アゾラ・クリスタータ"です。 環境省の関係施設で展示栽培する場合でも許可が必要なようで、 この写真を撮影させてもらったところには許可の下展示されているという旨の表示がありました。
滋賀県には、在来のアゾラの仲間としてはオオアカウキクサがあるのみで、在来のアカウキクサは生えていないということです。 したがって、滋賀県下では、オオアカウキクサ以外のアゾラは外来種だということになります。 琵琶湖でも風下側の湖岸にはイヤというほど流れついています。あれはほとんどが外来種のようなのです。 ただ、それら外来種全てが必ずしも"アゾラ・クリスタータ"であるということは無いというややこしいことに成っています。
外来種のアゾラの仲間には何種類かあって同定が極めて難しいらしいのです、その中で"アゾラ・クリスタータ"だけが「特定外来生物」の指定をされています。 在来種にも似たものがあり、さらに交雑株などもあって複雑さに輪をかけた状態で、 素人には見分けるのはまず無理らしいです。まるで、タナゴの仲間で問題となっているタイリクバラタナゴと同じような生物です。 魚と違って捕まえようとしても逃げたりしないのですが、繁殖力が大きい小さな個体でちぎれてバラバラになってもそれぞれの小片がちゃんと再生してくるらしいのに加え、胞子でも殖えるとのことなので、どうしようも無いみたいです。
また、水田などでは外来アゾラが生えている上流側で逆水(下流側からの揚水)利用されていないところに変な分布を見ることがあります。
これは、猪や鹿、あるいは水鳥などの脚に付着して運ばれてしまったらしいのです。
もちろん、農機や長靴に付着して運ばれることもあるでしょうし、
もっと遠距離では農作物の出荷とか中古トラクターやコンバインの流通でも拡散する可能性はあります。
私は、そんな場合についての「外来生物法の解釈」はどうなるのか?に、とても興味があります。
(2008年12月02日)
アカウキクサ科、アカウキクサ属、アゾラ・クリスタータ(和名なし)
Azolla cristata
参考(1):環境省のWEBサイト
・特定外来生物同定マニュアル[植物]:アゾラ・クリスタータ
・特定外来生物の解説:アゾラ・クリスタータ
参考(2):アゾラ(アカウキクサ属)の分類など
・雑草研究:Vol. 51 (2006) , No. 3 pp.178-184
・そのPDFファイル
・"がんさんのホームペイジ"より、アゾラ(アカウキクサ-Azolla)について