2007年9月、滋賀県北部の 溜め池にて撮影 |
2007年9月、滋賀県北部の 溜め池にて撮影 |
2007年の秋に、滋賀県北部のとある溜め池で見た水草です。小さな池の水面のほとんどをその葉で覆いつくしていたこの水草は、私が今までに見たことがないものでした。水中から伸びた葉柄の先に展開したスイレンのような葉ですが、その葉には一つも切れ込みがありませんでした。その日は季節が秋だったためか、この水草の花も見られませんでした。その後の5ヶ月間ずっと気になっていました。この水草はいったい何という植物なのだろうか?と。昨夜、ふっとひらめきました「これ、ひょっとしたらジュンサイでは?」。ジュンサイなんて旅行先での旅館で出た味噌汁に浮いていた新芽しか知りません。早速インターネットでジュンサイについての画像検索してみると、出てきました、そっくりです。
ジュンサイは漢字では蓴菜とか純菜と書くらしく「菜」がついています、やっぱり昔から食用にされてきたのでしょうね。
ハゴロモモ科、ジュンサイ Brasenia schreberi
(2007年02月16日)
2006年11月、福井県の 自然公園にて撮影 |
2008年11月、滋賀県に ある環境省の施設にて |
水の中から四つ葉のクローバが生えているような植物でした。
全部の葉が四つ葉なのです。
デンジソウ「田字草」という植物で、昔はあちこちの田んぼ周辺で見られたものらしいですが、
私は見たことが無かったです。
この左の写真のデンジソウは自然公園で展示用に栽培されているものでした。
(2006年11月23日)
このデンジソウが緑色をしている時期にもう一度福井県の自然公園へ行こうと思いながら、
なかなかその機会に恵まれませんでした。もちろんそれだけを目的に行けばよいのですが、
そんな季節は少しでも時間があれば釣りをしている時期なのです。それで、ついつい行きそびれてしまっていました。
2008年の11月になって、他の水草のことで学芸員さんに相談しようと滋賀県内の施設を訪れました。
すると、その施設の玄関にデンジソウが展示栽培してあるではないですか!
滋賀県内の野生のデンジソウは既に絶滅していると聞いていましたからビックリしました。
こちらでは夜間は温かい屋内に取り込んであるのか、まだきれいな緑色の葉も見られました(写真右)。
(2008年11月30日)
デンジソウ科、デンジソウ Marsilea quadrifolia L.
2006年11月、福井県の 自然公園にて撮影 |
暖かい時期に もう一度撮影予定 |
この写真のヒツジグサは自然公園で展示用に栽培されているものでした。
(2006年11月23日)
スイレン科、スイレン属、ヒツジグサ
Nymphaea tetragona Georgi
2007年4月、滋賀県湖西の 溜池にて撮影 |
2007年4月、滋賀県湖西の 溜池にて撮影 |
これは止水域に生えていたヒルムシロの仲間です。
ヒルムシロ(2)のコラムに掲載している種と同じものかもしれませんが、
このまま展葉したらもっと大きな葉を持つ種のように思えます。
また、葉先の尖り具合もなんとなく少なく丸味が感じられます。
さらに時期的なものか、葉の色もずいぶんと赤褐色を呈しています。
もう少し暖かくなって葉が完全に展開したころに観察しに行ってみることにします。
その後は花が付く頃にも見に行ってみたいと思っています。
(2007年05月06日)
2005年4月、滋賀県湖西の 内湖付近の水路にて |
2005年9月、滋賀県湖西の 内湖付近の水路にて |
2005年9月、滋賀県湖西の 内湖付近の水路にて |
2005年9月、滋賀県湖西の 内湖付近の水路にて |
4月に見つけて「この赤い葉は?」と思って撮影しておいた水草がありました。その水草のその後の成長が 気になっていましたので、その場所へ9月下旬に訪れてみました。 すると春先に紅色がかった燻んだ色の葉が水中にあったその水草は鮮やかな緑色の葉を浮かべていました。
ヒルムシロの仲間だと思いますが、手にとってみてみるとずいぶん大柄です。オヒルムシロかフトヒルムシロでしょうか?
ヒルムシロには何種類かがあるようです、いったいどの種類なのか調べなければなりません。
(2005年9月21日)
2005年9月、滋賀県湖東の 水路にて撮影 |
2005年9月、滋賀県湖東の 水路にて撮影 |
これはヒルムシロです。私が子どものころは近所にいくらでも生えていましたが、
最近はトンとお目にかかったことがありませんでした。
葉っぱが水面に浮かぶ水草で私が最初に名前を覚えたのがヒルムシロでした。
この「ヒルムシロ」という名前は意味が解からなかったのですがお経か呪文の文言ような
不思議な響きがあり何故かすぐに覚えました。
(2005年9月17日)
2005年6月、岐阜県の河川 の中流域の溜りにて |
200x年x月、岐阜県の河川 の中流域の溜りにて |
初夏に岐阜県の河川の中流域の溜りで見たものです。コカナダモの群生の間にヒシが生えていました。 この時期だとヒシはまだ繁茂していなくてあちこちにポコポコ浮かんでいるといった状態でした。 当日は目的の魚がなかなか釣れなくてワンドや溜りをあちこち探索していました、そんな時に見つけたもの ですのでじっくりと見なかったのです。次回訪れる機会があればまた撮影したいと思います。
2008年11月中旬、 福井県の沼地にて |
2008年11月中旬、 福井県の沼地にて |
2008年11月中旬、 福井県の沼地にて(種子) |
2008年の11月中旬に福井県へ紅葉を見にドライブに出たついでに通りかかった水田地域の水路をのぞいてみました。 アメリカザリガニが多い水路でガッカリだったのですが、水深が浅い枡の部分にアメリカザリガニに食われず大きくなれたドブガイが結構多く確認できました。 これだけ多くのドブガイが居るのならタナゴも居るのではないか?と深い部分の濁った水中に眼を凝らしますが全然見えませんでした。 あいにく釣り具を持参していなくて、釣れるかどうか確かめてみることができませんでした。 そこで、その水路の上流側を探索してみると沼地があり、こんな水草が生えていました。 ヒシの仲間らしいのですが、ずいぶんと小型です。 水面には、黒褐色で鋭いトゲが四本の小さな種子の殻と思われるものがいっぱい浮かんでいました。
2008年11月下旬、 耕作放棄田にて |
2008年11月下旬、 耕作放棄田にて |
2008年11月下旬、 耕作放棄田にて(果実) |
その後、その月の下旬になってからもう一度その付近へ行ってみました。
今度は、先の沼地とは別の水系(二水系隣)の田んぼの中でも見つけました。
水が湧いて出ていて年中水溜りになる田んぼのようで、ここ何年も作付けされていない様子でした。
他の水草がいっぱい生えている中で、やや水深がある(約15cm)部分に同じものが生えていました。
こちらでは、夏には水温が低く、晩秋から初冬にかけての水温の低下が少ないようで、
枯れる寸前ではありましたが果実も見ることができました。
これはヒメビシのようで、ヒシの仲間の内では一番小さいらしいです。
ヒシの仲間の種子の大きさを比較した写真も撮りました。
ヒシ科、ヒシ属、ヒメビシ Trapa incisa Sieb. et Zucc.
(2008年11月28日)
2008年11月下旬、 琵琶湖北部の水辺にて |
2008年11月下旬、 大きさの比較 |
2008年11月下旬、 4本のトゲの出方 |
2008年11月下旬、 充実した種子(戴き物) |
琵琶湖の北部には、このオニビシがかなり多いようです。 いままで、「タナゴ釣りの邪魔になるヒシだなあ!」と思って見ていたもののほとんどがヒシではなくてオニビシだったようです。 11月下旬に、ヒシの仲間の種子をじっくり見ようと、夏にヒシの葉陰でカネヒラやヤリタナゴなどが釣れた場所へ行ってみました。 夕暮れ時だったのであまり時間がなく、一ヶ所を調べた限りですが、見つかるもの拾うもの全てオニビシでした。
夏季に琵琶湖北部で撮影した写真に、水面に葉を広げて浮く姿や花をつけている姿のものがあるのですが、
オニビシであるかどうかがはっきりしません。
来年はヒシの仲間を見つけたら生えている底の種子までそっと抜いて調べてみることにしようと思っています。
ヒシ科、ヒシ属、オニビシ Trapa natans L. var. rubeola Maxim. f. viridis Sugimotro
(2008年11月28日)
2008年11月下旬、 琵琶湖の内湖にて |
2008年11月下旬、 小さな種子も(右) |
2008年11月下旬、 トゲは四本 |
2008年11月下旬、 横から見ると |
2008年11月下旬、 ヒシ(右上)との比較 |
2008年11月下旬、 ヒシ(右上)との比較 |
このコオニビシは、2004年の11月に初めてタナゴ釣りにチャレンジした時に見ていたものです。 トゲが四本だったということでオニビシかヒメビシのどちらかには違いないと思っていましたが、どちらもハズレでした。 そして、実は「初めてタナゴ釣り」に選んだポイントもハズレでした。 タナゴはおろかブルーギルさえ釣れませんでした。生まれて初めての記念すべきタナゴ釣りの日だったのですが....
間違って「オニビシ」だと思っていたこのコオニビシの種子を拾った内湖には、 トゲが二本だけの種子もありました。 トゲが二本だけだし、変な形の種子だなあ?と感じ、2008年の11月に拾った種子全部を携えて 琵琶湖水鳥・湿地センターの学芸員さんにお尋ねしてみると、 一目みるなり....「コオニビシです」というお言葉をいただき解決しました。 お土産に「ほんまもんのオニビシの種子」を一個いただきました。 オニビシの種子が大柄でふっくらとしているのに対し、コオニビシの種子の大きさはやや大きいもののヒシとほぼ同じでトゲ基部の膨らみが少ない。 トゲが二本のヒシと比較すると、トゲが四本という違いの他に、トゲ基部の膨らみが大きいことやトゲが出ている角度が小さいように感じました。 また、ヒシとの比較では種子表面の模様の彫りが深いようにも思います。
2008年11月下旬、 中にはトゲが二本の種子も |
2008年11月下旬、 基部のトゲの個体変異か |
その後、もう一度同じ場所へ行って、コオニビシの種子を拾ってみると、
同一群落内でも個々の変異がとても大きいように思いました。
特に付け根に近い方の(ヒシには無い)トゲは両方出ているものの他に片方だけのもの、
さらに、両方ともトゲではなくコブになっているもの、それに片方にコブもう一方はコブすら無いものもありました。
こうなった状態の種子一個だけを見ているとヒシなのかコオニビシなのかサッパリ解からなくなってきました。
ヒシ科、ヒシ属、コオニビシ Trapa natans var. pumila
(2008年11月28日)
2005年5月下旬に、運転免許証の更新に出かけて、そのまま琵琶湖南部の内湖で竿を出した時に抜き上げてみたのが最初の観察でした。 その時はヒシの仲間には違いないが種類が解かりませんでした。ただ、種子のトゲが二本だったということと、種子の輪郭が解かる写真を撮っていましたので、3年半経過した今になってやっと解かりました。
2005年5月下旬、 湖南の内湖にて撮影 |
2005年5月下旬、 湖南の内湖にて撮影 |
2008年7月中旬、湖西の 内湖の水面を覆うヒシ |
2005年に、とある内湖の岸辺近くに生えていました。手が届く距離でしたので何本か手に取ってみると浮いている葉の部分の中央から水底まで茎がありました。茎の下部には根がかたまって生えていて底に根を伸ばしているようでした。さらにその先端(源端?)には昨年できたと思われる種子がまだ付いていました。 ヒシはこの実から芽生えてきたようです。しかし、酸素が少ないと思われる水中の泥の中でも発芽するのでしょうか? などと感じて、いつか徹底的に調べてみようとは思っていましたが、 ヒシが繁茂してくる時期というのはタナゴを追いかけてばかりで全く観察していませんでした。 たまに撮る写真といえば、水面一面にひろがったヒシ群落の遠景などで、ぜんぜん詳しく解かりません。
2008年11月下旬、 琵琶湖西部の内湖にて |
2008年11月下旬、 トゲは二本(開き角は大?) |
ヒメビシ、コオニビシ の種子との比較 |
2008年の11月になってから、ヒメビシを見つけたことがきっかけになり、 琵琶湖周辺で、岸辺に落ちていたり水面に浮かんでいるヒシの仲間の種子の殻を集めてみました。 何箇所かで調べてみたところヒシの他にコオニビシやオニビシの種子も見つけることができました。 そうこうしている内に、「数見りゃ当たる」とでも言うのでしょうか、「これはヒシだ!」となんとなく解かってきました。 でも、まだ解からないのは「酸欠状態の泥の中で発芽するのか?」ということです。
このヒシの仲間は発芽してから枯れるまでの間の成育量がすごく大きいらしく、
タナゴやドブガイなどが棲息している溜池などで繁茂しすぎると大変なことになるそうです。
つまり、大量に繁ったヒシは種子を残して晩秋になると全て枯れて水に沈み、翌春になり水が暖かくなってくると一気に分解しだし、
池内全体が酸欠状態に陥るらしいのです。
ヒシ科、ヒシ属、ヒシ Trapa japonica Flerov
(2008年11月28日)
2004年11月、滋賀県湖南の内湖にて | 2005年9月、滋賀県湖北の本湖にて | 2005年9月、滋賀県湖北の本湖にて |
左の画像は11月下旬に内湖の岸辺に打ち寄せられていたヒシの実ですが、種類が不明です。トゲが4本です ので、オニビシかヒメビシだと思いますが、この時期はヒシが枯れていますので私には判別できませんでした。 他の画像は9月初旬に琵琶湖本湖の北部で撮影しました。その場所にはトゲが4本のヒシの実の殻がたくさん落ちていました、同じ水系ですのでおそらく同じ種 ではないかと思います。ところで、ヒシの仲間の見分け方ってどこがポイントなのでしょうか?(2005年9月4日)
左の画像の種子は、コオニビシのものであることが解かりました、オニビシでもヒメビシでもありません。 水面に展葉している姿のものと花の写真は、地域的にはオニビシかと思えますが、確かめたわけではありません。 このコラムは後日削除予定です。 (2008年11月28日)