タナゴの食性は雑食なので、同じく雑食の私達が食べているものなら一応は食べてくれると思います。 私は飼育してみたアブラボテなどのタナゴに、市販の配合飼料の他にホウレンソウ、サヤエンドウの鞘、 パン、ホウレンソウ、イチゴ、プリン、ヨーグルト、バナナ、栗などを与えてみたことがありますが、 全て残さずに食べてしまいました。挙げ句の果てに辛いタカノツメまで食ってしまいました。 カネヒラは植物性のものをよく食べるので水槽においては水草が食べられてしまうことがよく知られて いますが、ヤリタナゴやアブラボテでも水草を口に入る大きさにしてやれば食べてしまいました。 アオミドロなどの藻類だと元々軟らかいので喜んで食べました。 また、動物性のエサとしてはアカムシやイトミミズはもちろん食べるでしょうが、 水槽内で二枚貝に付いていたヒルをタナゴが食べたのも目撃し驚いたことがありました。
実際に釣り場で体験したことでは、水路にコロコロと流れる生ごみにタナゴが群がっている様子、 捨てられたチーズ(たぶん腐っている?)をタナゴが食べている様子などにも遭ったことがあります。 タナゴは、種によって、季節によって、体調によって、 植物性のエサと動物性のエサのどちらを好むかはある程度の幅はあるようです。 いずれにしても棲息地ではいろいろなものを手当たり次第に食べているようです。 さらに、食べられないようなものでも水中でユラユラと沈下する小さなものには 興味を示して近付いてきて一旦口をつけることがあります。 シモリ、親浮子、オモリ、ハリス止めは何回つつかれたか解からないくらい頻繁です。 さらに、ハリにタバコ包装の銀紙を小さくちぎって刺して擬餌としてカネヒラを釣ったこともあります。 私の知人は赤虫の蛹のようなフライ(ミッジ・ピューパ)でヤリタナゴを釣りました。
ただ、単に釣ってみるということなら何でもよさそうですが、釣り易い餌としての
動物性の釣りエサとしては釣具店で売っているミミズやアカムシがあります、
また、植物性のものとしては、グルテンが代表的なものです。
実際に「タナゴ釣り」で使うエサとしては、保管や取扱いが容易なものの方が便利です。
また、タナゴ以外の魚をなるべく釣りたくないので、
私の場合はほとんど黄身練りの出番ばかりです。
そこで、私の黄身練りの作り方などを少しばかり御紹介することにしました。
(2007年01月04日)
黄身練りの主な材料は卵黄と小麦粉です。 それを「ハリ先への付着しやすさ」と「程よいエサ持ち」を考慮しながら練ったものです。 卵黄と小麦粉の他に、味付け程度にいろいろなものを僅かな量混ぜることもあるようです。 私は、バニラエッセンスを混ぜていますが、入れなくても入れても釣果に大きな差はありませんでした。 私は1個の卵の卵黄から、 ポリエチレンのシートでテルテルボウズのように包んだ黄身練りを8ユニットから10ユニット作っています。 その内の半分はやや軟らかめ、残りの半分はやや硬めに調製しています。 区別するための目印は輪ゴムの色を変えてみたり、マジックインクで記したり、 あるいはポリエチレンシートの余分の切除の仕方を変えたりしています。 保管は冷凍庫で、使う分だけ当日釣り場へ持って行きます。 ポリエチレンシートは普通に売っている厚み0.02mmのポリエチレン製の袋を切って 二重にしたまま使っています。黄身練りポンプの購入や自作も考えたことがありますが、 そんなものを釣り場に忘れてきたら悔しいのと、使った後の洗浄の煩わしさを考えると、 使い捨てできるポリ袋の方が便利だと思います。
■■ 最初は、軟らかめの黄身練りを調製
黄身練りの材料 | 黄卵のみ使います |
小麦粉の量で硬さを調整 | 数滴のバニラエッセンス |
箸の先で引き上げても | ツノが出来ない軟らかさ |
ポリ袋と輪ゴムで | テルテル坊主のように |
必須材料は鶏卵と小麦粉の二種類です。 黄身練りを包む素材としてポリエチレンの袋と 輪ゴムもいくつか用意します。 調製する道具として小さな容器と箸があればよいです、火は使いません。 鶏卵からは黄卵のみを分離して、練るための容器にいれます。
次に、小麦粉を入れます。 私は分量を計って入れたことがありませんので、どれだけ入れたら一番よいかがもうひとつ把握出来ていません。 少しずつ入れて練ってみて、軟らかすぎれば小麦粉を少し入れて、再び練り込んでみて‥‥ ということを何回か繰り返して徐々に求める硬さにしています。 その途中でバニラエッセンスを入れることもあります。量は数滴です。 黄身練りの硬さは、練り込みに使っている箸の先で黄身練りを引き上げてみて、 スーっと細くなって最後にツノが出来そうだけど結局はペタッとツノが倒れるくらいにしています。 しかし、これを一旦冷凍してふたたび解凍するとさらに硬くなってしまいます。 硬くなる理由は解かりませんが、それを見越して調製するしかないと思います。 何度か作っていると調製時の硬さの調整にも慣れてくると思います。
求める硬さに練り込んだ黄身練りの半量はポリエチレンの袋をシート状に切ったものに小分けしながら包みます。 私は黄卵1個から作った黄身練りの半量を4個か5個に分包しています。 空気が入らないように捻って輪ゴムで縛れば出来上がりです。 残りの半量は硬めの黄身練りとして調製し直します。
■■ ひきつづき、硬めの黄身練りに再調製
さらに少量の小麦粉追加 | 再び練ります |
箸で硬さを点検 | 私はこの硬さにします |
続いて、やや硬めの黄身練りを作ります。 小麦粉を少しだけ追加して、練り込んでみます。 軟らかすぎるようなら、もう少しの小麦粉を追加します。 まだ、求める硬さにならない場合はさらに小麦粉を追加します。 このように少しずつ何度か小麦粉を追加で入れて様子を見ながら調製しています。
私は、このやや硬めの黄身練りの場合でも、 ツノが出来ないくらいの軟らかさです。 これでも一旦冷凍した後は何故か硬くなってしまいます。 気に入らないくらい硬くなってしまってもそのまま使いきっています。 そして、次に作る時にはもう少し軟らかめに仕上げるようにしています。 タナゴ釣りを始めてから2年以上経ちますが未だに作る度に硬さが違います。 黄身練りの硬さは、小麦粉を入れる分量の他に卵の新鮮さや質、 さらに作る時や使う時の温度も影響しているのかもしれません。 多少硬さが変わっても釣れないことはありませんので、 いろいろと試してみるとよいと思っています。
■■ 使うとき
ツマヨウジ等で穴をあけ | ニュルッと出してハリに |
冷凍してあった「黄身練りテルテル坊主」をポケットに入れて釣り場まで行くと ちょうどよく解凍できています。 雑草の軸やツマヨウジでプスンと穴を開けます。この写真ではメイッパイ大きく穴を開けていますが、 釣り場の状況やタナゴのコンディションを考慮して開ける時の穴の大きさを加減して下さい。 小さなタナゴが多い場所や食いが浅い場合は軟らかいエサを小さく付けています。 他魚が多い場合は硬めのエサで大きく付けています、 一旦他魚につつかせてから僅かにハリに残ったエサで本命狙いです。 食いが立った大きなタナゴが多い時は、エサを大きく付けると一瞬で飲み込んでしまいます、 大きなエサだとタナゴは一生懸命に吸い込むような気がします、 それで飲み込まれ難いように小さく付けています。 ただ、カネヒラの場合は目立つ大きさでないと寄ってきませんので、ある程度大きく付けています。 黄身練りが残ったら、持ち帰って再び冷凍庫で保管し次回にまた使います。 数日間常温でそのまま置いておいたら醗酵して、スッパイ臭いになったことがありました。 しかし、それでもちゃんと釣れました。 ただ、真夏に車の中に1日放置しておいたら高温で煮えてしまって固まってしまいました、 こればっかりは使いものになりませんでした。 夏場の釣りでは、予備の黄身練りを保冷材や氷といっしょにクーラーに入れておいた方がよさそうです。
市販の釣りエサ | 市販の釣りエサ |
大きく付ける時 | 小さく付ける時 |
「グルテン」とは、粘りと弾力性があり水に溶けない植物性の蛋白質の一種です。 ここでは、水で練ると「グルテン」を生成する「市販の釣りエサ」の何種類かをグルテン(「」なし)と書いています。 「グルテン」となる成分が多いもの少ないもの、澱粉の割合が多いもの少ないもの、 その他の成分を配合したものなどいろいろなグルテン系のエサが市販されています。 袋に入った元の乾燥状態では「グルテン」は出来ていませんが、 それに水を加えると水に反応して「グルテン」が生成されます。 練らずにそっと置いておくと「グルテン」は細い繊維状になりますが、 一生懸命練り込むと細い繊維状の「グルテン」がくっついて、さらに澱粉など他の配合物と混ざって、 粘りが強すぎたダンゴになってしまいます。
私の場合は、黄身練りテルテルボウズを持って出るのを忘れた時に グルテンを使っています。そのために車には常時グルテンの袋を積んでいます。 グルテンと水の配合割合は包装した袋に表示してありますが、 一度も計って配合したことがありません。 たぶん、ちょっと硬めになっていると思います。 小さなタナゴの時はダンゴから針先で少量の繊維状になったところを引っかけて使うのですが、 ハリに大きく付けたい時は指先でコヨリのように細く硬く練ってそれをちぎって使っています。 それで、やや硬めにするために水の量が規定よりも少ないはずです。
「グルテン5」「グルテン3」「グルテン四季」を使ってみましたが、 どれでもそんなにかわりませんでした。
昔から「タナゴ釣りには玉虫」と言われているイラガの幼虫はまだ使ったことがありません。 今後、機会があれば何度か使ってみて、何か自分なりに理解できれば書きます。
始めてのタナゴ釣りで赤虫を使ってみました。 老眼なので赤虫をうまくハリに刺すのに難儀しました。 それで、それ以降は使ったことがありません。
昔、渓流でのエサ釣りではほとんどミミズを使っていました。 しかし、タナゴ釣りでは赤虫同様に保存管理が面倒なのでミミズは使ったことがありません。
動物性の原料が多いもの | 植物性のもの |
小さな団子を投げ入れる | 茶漉しで中層に吊るす |
私は、新規開拓で全く初めてのところへよく行きます。 そのような場所ではどんな魚が棲息しているか観察するために何箇所かに寄せ餌のダンゴを少しずつ投げ入れて、 数分後に竿片手に見て回ります。透明度が低くて目視で確認できなければ竿で探ってみています。 寄せ餌は効果が出る時と、全くダメな時、その反対に他魚にまで効果が出すぎて ポイントがメチャクチャになる時があります。 極端な低水温時は食べても消化出来ないのでしょう、何を撒いてもダメです。 大きな鯉や鮒がたくさんいる場所では寄せ餌が残っている間はグチャグチャになりダメなようで、 寄せ餌が無くなったころにやっとゆっくり釣れるような気がします。 タモロコが多いところもそんな感じです。 オイカワが多くいる場所では動物性のエサが入っているものは避けた方がよさそうです。 マズメ時も寄せ餌など必要ないでしょう。その日その時々の状況で判断して寄せ餌は適切に使うべきでしょうね。 私は、サナギ粉などの動物性の蛋白質や脂肪分が多い「大鯉」や、 植物性の澱粉とタンパク質の「グルテン四季」を使い分けています。