釣魚不全 / タナゴ釣り

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ちょっと工夫してみました

自分で仕掛けを作って、それを実際に釣り場で使ってみると、 具合が悪くて困ったことやこうすれば便利だなあ!などと後で解かることがしばしばです。 二年間くらいタナゴ釣りをやってみて少しづつ気が付いて、工夫してみたことを記します。 ただ、釣り場や使う竿などの釣具に関係する条件で通用しないものもあるかもしれません。 今のところ、このようなことをやって釣りをしています。
(2007年03月13日)


a.仕掛けの全長調整

編付け

結索に「編み付け」を利用したループで仕掛けの長さを調整。

10年以上以前から、他の釣りでは使われている方法です。 道糸の長さを連続的に変化させることで仕掛けの全長を変えられる方法です。 いろいろなところへ釣りに行っていると釣り場の条件で竿の長さを変えてみたい時に、 用意していった仕掛けの長さが少し足りないことがあります。 特に中規模河川で岸から離れた場所に大きな石があって魚が付いていそうだったり、 幅数mの川で手前の岸付近では釣れなくて対岸付近を狙ってみたい時などです。 竿は軟らかめの渓流竿の何節かを使うこととにちょうどよい長さにしてみたところ、 仕掛けの長さが合っていなくてエサ付け振込みなどの操作がし難いことがあります。


私は、そんな時は、道糸の上部に別の道糸を足して使っていました。 しかし、場所がわりして、違う長さの竿を使う場合は、また糸を繋ぎ変えて調整しなおさなければなりません。 もちろん、そんな場合のことも想定していろいろな長さの仕掛けを用意しておけばよいことです。 しかし、軽いもの、中くらいの重さのもの、やや重いものなど、季節や現場の流れや魚の状態で いろいろな感度のものも用意しておかねばなりません。 しかも、ちょっと遠目を釣りたいのは、ほんの限られた場合だけです。 そこで、今までと同じように道糸の上端に継ぎ足す糸をこのように工夫してみました。


0.4号のナイロン糸を使いループを作っています。左の端は穂先に結索してあります。 他の端は折り返して#50のポリエステルミシン糸で編み付けをした部分に結索してあります。 ループとなったところには1号のナイロン糸で小さな環を作りそれに通してあります。 小さな環の部分の下端(右端)には元々の仕掛けの上端を結索します。 小さな環を作った部分は滑車のようになります、編み付け部分の位置をずらして 全長を調整します。仕掛けの長さの変化量は、編み付け部分を動かした距離の半分の長さです。 ただ、この仕掛けでは、穂先への結索は「ブショウ付け」ではなくて「ひきほどき結び」でないと 小さな環を作った滑車部分に結びこぶを作った太いリリアン糸を付けなければなりません。 そうなると、この部分が重くなってしまいぶらんぶらんしますので具合が悪いかもしれません。


編付け 編付け 編付け
最初の結びは無くてもOK 道糸の向う側で交差 道糸の手前側で交差
編付け 編付け 編付け
何度かくり返し 編み付けて行き 最後は締めてから結ぶ
編付け 編付け 編付け
緩まないように固く結び さらに二本まとめて結ぶ 二本撚りにし8の字結び

「編み付け」は、実際にはこのようにして作ります。 継ぎ足す目的で使う道糸をピンと張っておいて、その道糸とは別の糸(私はミシン糸を使っています) で三つ編みのような感じのものを作るのです。 編み付けの要領が解かるように写真を載せておきます。 三つ編みとは少し違った編み方になっています、 三つ編みでも同じような効果がありますが編み付ける回数(段数)をやや増やす必要があります。 「編み付け」は、その部分が縮んで緩んでいればスルスル動き、伸びて締まっていれば動かなくなります。


編み付けの最初の止め結びはしなくても大丈夫ですが、私は以前に三つ編みの編み付けをやっていたことがあり、 癖になってしまっていて、いつも止め結びから始めています。 一段一段編み付ける際の糸の交差では、どちらが上に(手前)になっても構いません、 仕上った時に見てくれがやや悪いのですが、動きに関しては問題ありません。 編み付ける際にある程度締めつけておいた方がよいのですが、 あまり強く締めつけ過ぎると編み付け部分をずらす時に動き難くなります。 「強く締めておいて回数を減らす」ことや「ゆるく締めておいて回数を増やす」ことが出来ます。 また、道糸の太さと編み付け糸の太さや素材で締めつけ具合も調整する必要があります。 編み付け糸は、編み付けが終わったら本結びをしてから、さらに、止め結びで止めます。 その後、それぞれ撚りをかけて二本撚りにして、末端に8の字結びを作り接着剤やマニキュアなどを 少量染み込ませて8の字結び(●)の緩み防止とします。


編付け 編付け
電車結び風ダブル編付け 蜘蛛の巣風シングル編付け

この「編み付け」を利用して仕掛けの長さを変える方法には、次の2つの方法もあります。 両方とも「滑車」は使わないのでやや軽く仕上ります。 左側は、二本の糸にひとつづつの「編み付け」を施し、お互い抱かせるようにし、 ちょうど「電車結びの途中」のような具合にして 長さを調節することができます。 この方法で仕掛けの長さを調節する場合は、二つの「編み付け」部分を両方とも動かさなければなりません。 右の方法は、一本の糸にひとつだけ「編み付け」を作り、その部分に元々の仕掛けの上端を結索します。 一番軽く仕上る方法ですが、釣っている時に蜘蛛の巣の糸でもくっついてぶら下がっているかのように 余った糸がひらひらします。また、余った糸が長いままだと、 仕掛け巻きに巻き取る時やほどく時に糸がもつれるトラブルが起こりやすいです。 その対策としては、調節する長さは短いものとし(そのような場合に使うこととし)、 仕掛け巻きに巻き取る時点でいっぱいまで伸ばした状態としておけば ちゃんと巻くことが出来ます。
(2007年03月13日)


b.ハリス止めに止める時

ハリス止め ハリス止め
細いハリスを使う時の スッポ抜け防止
ハリス止め ハリス止め
普通にハリスを止めて もう一度、重ね止め

タナゴ釣り用のハリス止めは、「留める」というよりも「引っかける」という感じのものですね。 一般的な「自動ハリス止め」よりもハリスを挟む部分のすき間が大きいようです。 おそらく、使うハリスが絹糸の細物でも挟み切れしないように工夫してあるのだと思います。 そのため、ハリスの端には小さなチチワを作っておくのが一般的のようです。 私は、タナゴ釣りを始めた当初は、鮎の友釣りで使う自動ハリス止めを使いました。 また、今でもそれを愛用しています。また、ハリスにはチチワなど作らずにそのまま留めています。 ハリスはほとんどの場合、ナイロンのモノフィラメントを使っています。 ただ、0.2号以下の細いハリスの場合は自動ハリス止めでも滑ってしまってスッポ抜けする場合があります。 そんな場合にこの方法で留めています。普通に留めてからもう一回留めるだけでキチンと止まりました。 また、0.2号以下0.08号まではこの方法で大丈夫でした。 現場でハリスをセットする時に魚の大きさや活性を考慮してハリスの長さを決めることが多いので、 この方法を使っています。
(2007年03月13日)


c.ハリス止めを使わない時

ハリス止め無し ハリス止め無し
ハリス止めが重すぎる時 道糸の先の処理
ハリス止め無し ハリス止め無し
二重8の字結びを二箇所 ブショウ付け(カウヒッチ)
ハリス止め無し ハリス止め無し
ハリス長を調整し締める もう一度引っかける

親浮子が小さい軽い仕掛けを使いたい時には、 ハリス止めの重さだけで早くシモリすぎる場合があります。 2006年に何度か使ったこの仕掛けは、親浮子を浮力が小さなものにし、 道糸には0.125号のナイロン、ハリスは絹の単糸(撚糸をほぐしました)を使ってみました。 タイリクバラタナゴの小さなものでもエサを咥えている時間が多少でも長いのでは? と考えて作ってみたものですが、ハリス止めを使ったら親浮子ごとスコンと沈んでしまいました。 そこで、こんな結索方法を採ってみました。 その後、ハリスに0.08号のナイロンを使って同じ様にしてみたところ、一応使える方法でした。


まず、道糸の下端を二つ折りにして「8の字結び」を二箇所作ります。 結び目がほどけるのを防止する為にアロンアルファやマニキュアをほんの少し付けておくと安心です。 この二重になった道糸の部分には後ほど板オモリを巻き付けます。 先端は「8の字結び」の先にわずかに糸を残してカットします。 この部分にハリスを結索します。 最初は「ブショウ付け」と同じように結びます、「ひばり結び」とか「カウヒッチ」とも呼ばれる結索方法です。 この時にハリスの長さをきちんと決めておきます。 次はハリが付いたハリスの方を半ひねりして引っかけて締めれば完成です。 この方法では、道糸とハリスが真っ直になりませんが、 細いハリスでしか使わない方法ですので、実際には自然とハリスが下に垂れます。
(2007年03月13日)


d.中通し浮子の止め芯

浮子の止め芯 浮子の止め芯 浮子の止め芯
水鳥(鴨)の羽根 軸だけにする 程よく止まる場所で切る

中通し浮子の止め芯の素材に、みなさんはどんなものを使っておられるのでしょうか? 私は、爪楊枝や竹やプラスチックを削って細くしたものや稲科植物の穂の軸なども使ってみましたが、 しっかり止められるものでも水を吸った時と乾燥した時で塩梅が変わってしまって具合が悪く思いました。 また、中通し浮子の位置を変える場合は止め芯を抜いてやらないとダメな場合が多かったのです。 手間をかけずに中通し浮子の位置を変えることが出来、ある程度しっかりと止まるような芯の素材が無いかと 探していたところ、水鳥の羽根の軸に思い当たりました。 秋から春先の季節に釣り場によく落ちています、琵琶湖周辺では鴨の羽根があります。 これを使ってみたところ、希望する止まり具合が得られました。 羽根の軸は適度なテーパーが付いていますので、どこかでちゃんと止まります。 羽根の軸は断面の形状が真円ではありませんがある程度軟らかいので爪でしごいてから差し込むと ほどよくフィットしました。 羽根の軸も少しは吸水しますが、よほど軽い仕掛けでないかぎりその影響は小さいと思います。 素材としては鶏の羽根の軸も使うことができました。 しかし、川鵜の羽根の軸は硬くてしかも側面にギザギザがあってきっちり止まり過ぎました。 そのまま無理に動かそうとすると道糸が切れたりパーマになったりしました。
(2007年03月13日)


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