タナゴ釣りをはじめたばかりで詳しく解りません。自分で理解できたら少しずつ書いてゆきます。
ただ、.....タナゴ釣りをしながらチョット感じたことを下に記します。
タナゴ釣りを始めてみて解ったことのひとつは、私たち人間が自分達が暮らしやすくするために如何に身の回りの自然を破壊してきたかということです。そのことを再認識できました。私自身も自宅でじっとしていても、部屋の中で歩き回ったり息をするだけという自分自身の日常の活動で多くの動植物を踏みにじっているのでしょう。タナゴ釣りは人里離れた秘境まで行かなくても身近に小さな大自然に触れられる釣りです、タナゴがどんなところに棲息しているかじっと観察していると私たち人間がいままで歩いてきた汚い足跡と気が付かなかった忘れ物がころがっているのが見つけられます。私たち人間も生態系の一部のはずなのですが、どうもそれを忘れていたらしいです!
最近つぎのことに気が付きました。この不注意な私たち人間の行動が結果的にタナゴの激減を食い止めていたのです、これは私にとって形容し難い複雑なもので、どう表現したらよいか悩むところです。それは、滋賀県などでは激減してしまったある種のタナゴが本来の棲息地ではない水系で殖えていることを知ったことです。おそらくこのタナゴが鮎苗(稚鮎)に混じって全国のあちこちの河川に放流されていたに違いありません、そして、たまたま、その水系でそのタナゴに適した環境があったのでそこで殖えたのではないかと推測されます。本来、鮎苗には他魚が混入していてはならないのですが不注意な選別不良により「結果的に」このようなことが起こったと考えられます。
上で記述したような「不注意な私たち人間の行動」により、ある種のタナゴが移植されてしまった地域では生物の多様性が撹乱されてしまっているわけです。しかし、本来の棲息地の自然環境が悪化しその種が絶滅したとしても他の地域でその種が温存されるという皮肉な現実が起こりうるのです。純粋に自然保護を考えておられる方々の立場では「あってはならないことやあるべき姿ではないこと」かもしれませんが、私のような釣り人の立場から考えると「形容し難い複雑なこと」です、是非が判断できない状態です。
タナゴの釣り場を探し歩いているといろいろな観察ができます。 河川、水路、湖、沼などといった地形上の違いの他に、飲めそうにきれいな水、飲んだら死ぬんじゃないかと思えるくらい汚い水といった水質の違い、 水草が多いところ・少ないところ、クロモが多いところ・コカナダモが多いところ、在来のエビが多いところ・アメリカザリガニが多いところ、 タニシやカワニナといった巻き貝が多いところ・ドブガイなど二枚貝が多いところ・全然貝がいないところ、 ヨシノボリが多いところ・カワムツが多いところ・オイカワが多いところ・フナやモロコが多いところ・ブルーギルやオオクチバスが多いところ・居ないところ、等など、いろいろな場所に出遭います。それぞれの水域ではその条件の違いにより棲息している生物が違うようです。 また、人為的に移入された生物によってその水域の元々のバランスが崩れてしまっているのではと思えるところもあります。
このように条件が違う場所それぞれで、ここにはタナゴがいるだろう!・ここはダメなのでは? ということが現場の雰囲気で直感的に解かるようになってきました。 自分自身でもとても不思議です。「直感的に」と表現しましたが、実は無意識の内に、いままでに知り得た現場周辺の情報を整理して、 その場所で目に入ったいろいろなことと組み合わせて判断しているのだと思います。 その判断の基準はタナゴが繁殖してゆけるための必須条件です、それと照らしあわせているのだと思います。 ここでは詳しく書きませんが、タナゴというのは周りの多くの生物との関わりがあってはじめて生きてゆける生物のひとつです。 その彼らの「関わり」というものは、自然界の絶妙なバランスの上に成り立っているようです。 そして、そのバランスを崩してしまう犯人はどうも私達人間のようです。